神戸北野フレンチレストラン「ル・パッサージュ:Le passage」

神戸北野フレンチレストラン 「ル・パッサージュ」のシェフ 春名公章についてご紹介します

神戸北野フレンチレストラン 「ル・パッサージュ:Le passage」 シェフについて About chef

神戸北野フレンチレストラン 「ル・パッサージュ」 シェフ 春名公章

1964年生れ。82年辻調理師専門学校卒。83年渡仏し、リヨン「キャトルセゾン」「ル・パッサージュ」で修行後 帰国。85年「アルピーノ」90年「ル・サロメ」の料理長を経て94年に29歳で独立し、神戸北野に「ル・パッサージュ」を開店する。06年店を現在の場所に移転。

神戸北野フレンチレストラン シェフ春名公章より「はじめに」

神戸北野フレンチレストラン 料理「カハワギポトフ」
この度は弊店のホームページへのご訪問、ありがとうございます。
近頃インターネットは当り前のご時世であり、ホームページを持つことくらいはレストランとしての義務であると、お客さまからのムチを受け、遅まきながら開設する運びとなりました。
自分のことについていろいろ話しをするのは、あまり主義ではないのですが、せっかくこのような場を設けたのですから、少しだけつくり手の顔を知って頂こう…そうすることで、お客さまが弊店でお過ごしになる時間が、より実りあるものになれば幸いかと。
そんなことを考えました。
 

神戸北野フレンチレストラン 「ル・パッサージュ」の料理について

ル・パッサージュの一番の強みは、オーダーを私に「おまかせ」頂くことができることだと思っています。
「おまかせ」とは申しても、もちろんお客さまとのお付き合いが浅いうちには、何らかのヒント ― お客さまの料理の趣味やどんなものが特に好まれるか、等 ― をお聞かせ頂いた上でのことになりますが。お付き合いが段々と深くなってお互いの理解が進んでいくにつれ、阿吽とまではいかなくても、信頼関係の上に成り立ったひとときをお過ごし頂くこととなります。
神戸北野フレンチレストラン 料理「カハワギポトフ」
そもそも、私が最も喜びを感じること ― それは“自分のロマンとお客さまのロマンが一致すること”であり、更に申せば、つくり手である私とそれを食すお客さまが、レストランという場で料理を通じお互いが共鳴し、響き合いを感じたとき、と言い換えることができましょう。
双方最初は会話なり、お客さまの料理へのリクエストを通じて、お互いの確認を進めていく。更に言えば、言葉は悪いかもしれませんが、探り合っていく。やがてお互いに、直接的な会話以上の「理解」が生まれるわけです ― そこで私はそれを証明し、応えるべく“料理”という具体的なカタチにする。
そして、それを召し上がったお客さまからご評価を頂いたときこそが、「私の仕事」と「お客さまの満足」がロマンとして結実を果たし、ル・パッサージュというレストランが、意味を持って敢然と存在する瞬間なのです。
神戸北野フレンチレストラン 料理「うずらのバロティーヌ」
私はシェフの仕事のうち、そのようなことにロマンを感じると共に、強く求めているところがあり、そしてそれを得ることができたとき、無上の喜びを感じてなりません。
また、それ以外にも、いつ何どき・どんなお客さまとも渡りあえることこそシェフの実力、とも考えています。
お客さまの嗜好や性格、その日の体調、果ては今の気分まで、様々なことをキャッチし、お客さまのご予算と折り合いをつけながらも、皿の上でフレキシブルに表現した上で、喜んで頂くことができてこそ、シェフの値打ちが決まるのではないでしょうか。同一人物であっても、今日のお客さまと昨日のお客さま、まったく同じではないのです。
もちろん、できないことはできない、とはっきり申し上げるようにはしています。仕込みに時間のかかるパテを急につくれと命じられても、それはどうにもできませんから(笑)
 

神戸北野フレンチレストラン 「ル・パッサージュ」のレストランのたのしみ

そんなル・パッサージュの得意とするスタイルは、一般のお店とはやや赴きを異にするところがあるかもしれません。
フレンチといえば、最初の食前酒から最後のカフェまで、全部お客さま自身がメニューを組み立てて、それを時間に沿ってきちっと食べるのが当り前。言わば自分で楽しみ方を作ってゆかなきゃならないところがあります。料理やワインの選択から、あるいはお客さま同士の会話までも。
もちろん、そんな楽しみ方もフレンチの良さであり、たのしさです。そんなふうにル・パッサージュをご利用頂くお客さまも大勢おられます。
ただ、料理をおまかせ頂くスタイルには、お客さまとシェフが互いに求め合う力を最も強く発生させる気がしますし、そんなふうに楽しめるオプションを持っているほうがレストランとして魅力的で、たのしいのではないでしょうか。

神戸北野フレンチレストラン 「ル・パッサージュ」の料理について

神戸北野フレンチレストラン 料理「ジュレ」
“たのしい”で思い出しましたが「食べることをたのしむ=ただ快楽のままにむさぼる」。
それでは、おもしろくないなあと思うのです。私のこだわりなのですが、料理に関わるたのしみの場合「楽しむ」ではなく「愉しむ」という言葉を連想します。
私のイメージにおいて「愉しむ」は、たのしむための前提があり、“その事をよく知る、学ぶ、研究する、いそしむ、上達する、手間暇をかける”という意味合いとペアになっています。
些細なこだわりかもしれませんが、レストランには「楽しい」以上の可能性がいっぱいに詰まっている、そう感じられてなりません。
シェフの立場で「料理を愉しむ」ことに言及すると、ヘンに流行を意識したものをつくったり、オリジナルにこだわって奇をてらったものをつくったり、素材を思いつきでこねくりまわしたり…そんなこととはかけ離れています。
思うに、料理とは例えば 平目なら平目というもの(食材)が“わかる”こと。即ち、平目とは何か? ― 料理自身それに対する答え“これが平目である”という何かを持っていること。口にした料理によって「これが、平目なのだ」それがわからなければ、料理とはいえないと思います。
そして、その問いに対する“答えそのもの”が料理なのですね。その答えを探り続けること。それが「料理を愉しむ」ことではないでしょうか。
 

神戸北野フレンチレストラン シェフ春名公章より「おわりに」

神戸北野フレンチレストラン シェフ春名公章
これからも色々なお客さまをお相手に、自分の能力を使いきってロマンを果たし、ご満足を賜りたい。いつも足を運んで下さるお客さまと深遠な世界を築きつつ、まだ見ぬ新しいお客さまに挑戦していきたいとも願っています。
ただ、お客さまとシェフとの出会いはつくろうと思ってもつくれません。こればかりは縁のことですから。
しかしこれだけは申せます。お客さまがル・パッサージュに足を運んで下さらない限り、ご縁は生まれません…これを読んで頂いたのは何かのご縁に違いない。ですから最後にひとことメッセージを(笑)
「どうぞ皆さま、おいしいものを食べにいらして下さい」
 
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